LEGEND OF KENSEI
タケゾウ・ケンセイ 日本の人々と彼らの自由を守るため戦い続けた剣士。
内に秘められた強さ、正義の心、高潔な目的をもって、悪事を正す。タケゾウ・ケンセイは、人々のために、残虐な悪人に立ち向かい、その英雄的な行動とその結果は、日本の歴史においても非常に大きな影響を与えている。
タケゾウ・ケンセイは日本の歴史の中でも最も尊敬されている英雄である。ヤマガト・グループ製作のビデオ・プログラム「剣聖 タケゾウ・ケンセイ」では、タケゾウ・ケンセイにまつわる史実と伝説を詳細に紐解いている。
1671年、鎖国していた日本。国土を揺るがす脅威は、実は国外ではなく国内にあった。各地を荒らし、抵抗する者は容赦なく殺す残虐な白ヒゲの軍が日本全土を手中に収めようと徐々に北上、ついには京都近郊の大津に到達する。だがそこに、タケゾウ・ケンセイが立ちはだかる。比較的小規模の軍勢だったとはいえ、タケゾウ・ケンセイはたった一人で白ヒゲ軍を壊滅させ大津の町を守る。白ヒゲはケンセイにより、初めての敗北を味わったのだった。
この戦いは後に、「十二振りの刀の戦い」として伝わる。白ヒゲの残党を倒すことを決意したタケゾウ・ケンセイは白ヒゲの隠し砦を目指す。
非道な白ヒゲから人々を守りそして日本を守るため、ケンセイは立ち上がった。後に「タケゾウ・ケンセイの試練」と呼ばれる、白ヒゲ討伐の一連の旅は試練続きだった。 第一の試練は「炎の巻物」。白ヒゲは、その強さの秘密や戦法、そして隠れ砦のありかを「炎の巻物」と呼ばれる書物に記していたという。。ケンセイはこの巻物を入手しようと戦いを挑む。 それまでにも、ごくわずかだが、果敢にこの禁断の書を盗もうとした者はいた。だが、誰一人として成功したものはおらず、盗もうとした者たちは拷問された後、生きたまま火あぶりの刑に処され、さらに出身の村までまるごと焼き払われていた。そのあまりにも惨い仕打ちに、人々は、白ヒゲがこの書物を守るために鬼と契約を結んで書物を炎で守らせているのだと、話していたという。一方で白ヒゲは90人の荒くれ者たちを選び出し、「炎の巻物」の警護に当たらせていた。極悪非道極まるこの浪人たちはその残虐さから、実は人肉を食す悪霊であったとも言われている。
ケンセイは巻物を守るために配置された90人全員を、たった一人で倒した。この戦いは後に「90人の怒れる浪人」と呼ばれるようになる。
しかし、ケンセイはたった一人でどうやって大軍を倒したのだろうか。…巻物を守る兵士の数も90であったり900であったり、「悪霊」「鬼」であったという諸説あり、謎が多い。だが、「炎の巻物」は実在し、ケンセイは巻物を入手するために敵と戦った、それは事実である。
90人の怒れる浪人を倒して「炎の巻物」を入手したケンセイは、白ヒゲの隠し砦を目指す。だが、その前に白ヒゲが放った刺客が立ちはだかる。30フィートの巨体に、一部では龍のように火を噴くという、凶暴な熊だった。だがケンセイはこの「坂下のクマとの戦い」でも勝利を収め、ついに、隠し砦のありかを示す地図を手に入れる。だが、次々とケンセイに向けて刺客が放たれていた。
最後の刺客は、蛇を操って暗殺する美しい双子の姉妹。「蛇女」として伝わるこの刺客は、半分人間・半分蛇として表現されることが多く、女は大蛇に変身して男を食い殺したといわれている。果敢に立ち向かうケンセイだが、刀で切りつけても、そこから頭が生え出して蛇の数は増える続けるばかり…。満身創痍となりつつも、何とか蛇女から逃れたケンセイは遂に、白ヒゲの砦にたどり着く。
だがそこには、その数、7万とも20万兵ともいわれる白ヒゲの軍隊が待ち受けていた。日本で一大勢力を誇る軍隊にたった一人で立ち向かい、野蛮・凶暴極まる兵を一人残らず殺したケンセイ。その戦いは11日と11夜続いたという。11日目には戦う相手はついに白ヒゲだけとなり、その戦いを制し最後に生き残ったのはタケゾウ・ケンセイ、ただ一人だった。
90人の怒れる浪人、火を噴く熊、そして隠し砦の白ヒゲの軍勢をたった一人で倒したケンセイを、「神」と呼ぶものもいた。だが、タケゾウ・ケンセイは無敵ではなかった。彼の弱点は「心」にあった。
どんな刺客、どんな野蛮な軍勢もたった一人で倒したケンセイの強さはどこからきたのか。ケンセイは、木曽の龍とある契約を交わしていた。
白ヒゲを倒すため、タケゾウは様々な師匠について剣術を習得していたが、いくら学んでも十分には程遠い。そこでタケゾウは、古くから伝わる秘伝の剣術を心得ているという木曽の龍に教えを請う。
…白ヒゲの手から民を守り日本を統一するというタケゾウの志に、木曽の龍も同意し秘伝の術を教えることを了承する。だが、交換条件があった。教えと引き換えに、タケゾウの一番愛するものを差し出さなければならないのだ。日本を救うために全てを犠牲にする覚悟ができていたタケゾウは、やがて龍の条件を飲むことにする。タケゾウは愛する美しい姫を差し出すことを約束する。こうして、タケゾウはケンセイ(剣聖)となった。
たった一人で白ヒゲの軍勢を全滅させ日本に平和をもたらしてつかの間、ケンセイの前に龍が現れる。龍は与えた知識と力で目的を果たしたケンセイに、約束どおり、最愛のものを差し出せと要求する。タケゾウ・ケンセイがこの世で唯一愛するもの、それは自分の妻となった美しい姫だった。
タケゾウ・ケンセイは迷うことなく刀を自分の胸に突き刺し、自ら心臓を取り出した。そして龍に向かって言った。「私の愛はここにある。とるがいい。」 こうしてケンセイは姫の腕の中で息絶えた。
伝説では、自己犠牲をもって妻を守り龍との約束も果たしたケンセイの愛と誇りに感動した龍が、命の炎を彼に吹き込み生き返られせたとしている。
だが、実際のケンセイはどうなったのか。
妻と二人でモンゴルに渡ったという説、龍とともに3人で旅立ったという説、ケンセイ亡き後の姫はその生涯を閉じるまでずっと嘆いていた、など諸説ある。
タケゾウ・ケンセイの妻となった姫は大津に住んでいた刀鍛冶の娘ヤエコだと伝えられている。ヤエコはケンセイにまつわる数々冒険を記した絵巻の作者であり、この女性が妻であったと推測されているのだ。が、これも確たる証拠はない。
タケゾウ・ケンセイの正体は謎に包まれている。タケゾウ・ケンセイはどこからともなく現れて日本を救い、その後は忽然と歴史から姿を消しており、その前後の記録は皆無である。
一説では、例の刀がタケゾウに力を与えたのだと伝えられている。
幼少時代のタケゾウは、短気・傲慢・残虐な手のつけようのない野生児で、周囲が恐れる気性の持ち主だった。ある日、雪原の氷に刺さった刀を見つけたタケゾウは、アーサー王のようにその刀を引き抜いた。刀は彼の精神を沈め、そして力を与えた…。そこからタケゾウ・ケンセイの伝説が始まったといわれている。
近年、リンダーマン・グループのCEOダニエル・リンダーマンは、タケゾウ・ケンセイの刀を入手したと発表。詳細な調査・検査の結果、刀は本物であることが確認された。
ところが、最近、その刀はリンダーマンのプライベート・コレクションから盗まれ、直後には、リンダーマン自身ももオフィスで殺害されている。リンダーマンを殺した犯人はいまだ見つかっていない。
これは単なる偶然なのか?
100年間消えていた刀が突如現れ、また忽然と消えた…。一部の学者たちの間では、刀は呪われており、一箇所にとどまるべきものではないといわれている。